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ロンドン在住 バレエピアニストHaRuKaのブログ

現役ロンドンライフと、知られざるバレエピアニストの実態🇯🇵..✈..🇬🇧

Repクラスの苦悩

 

 こんにちは!

バレエピアニストのHaRuKaです🌸

 

 

さて、今回はバレエピアニストの仕事の一つであるレパートリークラスについて、実際に今担当しているクラスでの出来事をシェアしたいと思います。

 

私の勤め先ではRep (Repertoireの略)と呼ばれているこのクラスですが、これは基礎を鍛える通常レッスンではなく、バレエ作品のソロを踊れるようになるためのクラスです。

 

 

あまり弾く機会はないのですが、今学期分のタイムテーブルで自分のレギュラークラスを確認すると、今学期は木曜日の3クラス目がRepクラスでした。

 

 

初日。どの曲をお願いされるかは事前にわからなかったので、iPadを準備してスタジオに向かいます。

 

これは、大抵RepクラスはSleeping BeautyやSwan lake, Don Quixoteといった有名どころのソロを取り上げることが多く、iPadに入れている楽曲でカバーできる可能性が高いからです。

 

 

ということで、弾いたことor 聞いたことがある曲がくれば何とかなるだろう …

 

そう思っていたのですが…!

 

 

 

リクエストされたのは4曲で、そのうち3曲が聞いたこともない、初めましての曲でした…!!

 

・Birthday offering 3rd variation 

・Caprice Solo

・The Polka in Facade 

 

これらが新曲(私にとって)で、もう一曲はSleeping Beautyのブルーバードのヴァリエーション。

 

 

こういう場合、本来なら曲を事前に知らされて楽譜が送られてくるはずなのですが、何かの手違いで今回は楽譜なしで初回のクラスがスタートしてしまったのです。

 

 

楽譜をiPadで検索しても見つからず、あるのはYouTubeの音源だけという状況で、その場を乗り切るには…

 

 

もうその場での耳コピしかありません…!

 

 

ここからは実際に私がトライした奮闘記になります。(笑)

 

↓↓

 

初めに先生と軽く打ち合わせ。楽譜がないので正確には弾けないということを伝えて、初回なので今回は似たような音楽で、振りの動きの確認など技術的なことを重点的にやりましょうと決めます。

 

クラスが始まり、先生が振り付けの確認などをしている約3分間、私はスマホを耳に押し当てて音源を聴き、テンポと調性、そして曲の雰囲気を必死で掴みます。

 

そして

 

'Let's try with music!' 

(まず1度音楽で通してみましょう!)

 

の合図でまず1回目、とにかく弾きます。弾くしかない。(泣)

 

この時点では最低限の情報しかとれていませんが、なんとか生徒が振り付けを確認できるくらいの曲を提供することが目標です。

 

 

生徒たちもまずはリズムをとるので精一杯なので、テンポとリズムだけはしっかり提示してあげることを意識します。

 

 

さて、1度通したあとは先生がまた振り付けの指導、直しにはいるのでここで再びスマホを耳に押し当て耳コピタイム。

 

ここではメロディーをできるだけ覚えて、何拍目で和音が変わるか確認します。

 

'Let's do it again with Music!' 

(もう一度音で通してみましょう! ) 

 

の合図で2回目。

 

今度はさっき覚えたメロディーをなんとか頑張って思い出しながら、わりと原曲に近い雰囲気で弾くことを意識します。

 

覚えたはずのメロディーが途中から飛んであれ!?と焦ることも多々起こりますが、それは内心だけにとどめ、メロディーの正確性よりテンポやリズムのキープを重視!

 

なんとか弾き切ります。 

 

 

このあたりからなんとか落ち着いて「それっぽい曲」が弾けるようになってくるので、これ以降はできるだけ原曲通り、クオリティをあげていくようにします。

 

 

隙を見つけては音源を聞き、指だけを動かして脳内リハーサル。

 

 

本当は紙とペンがあれば、少しでもメロディーや和音をメモできるのですが、あいにくこの日は持ち合わせていなく。。

 

これからは反省して、常に持ち歩こうと思います。(笑)

 

 

さて、これが実際に私が経験した、Repクラスでの出来事でした。

 

(ちなみにこの翌週、「二人用しか見つからなかったけど、ハルカならアレンジして一人で弾けるよね!」というメッセージと共に、連弾譜が送られてきました😂(笑))

 

 

そんなこんなで苦労した数週間でしたが、必死に対応する私の姿を見てくれていたのか、先日生徒さんたちから、なんとも嬉しいサプライズが❣️

 

 

 

 

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ハルカの音楽のおかげでここまで頑張ってこれました、というメッセージには思わずじーんときてしまいました。。

 

 

 

 

来週からHalf Termで1週間お休みなので、たくさん休んで美味しいものを食べてチャージして、6月からも全力で頑張りたいと思います!

 

 

今回はこの辺で。

 

 

 

 

また更新します✨

 

 

HaRuKa🌸

 

 

 

 

日常が戻ってきました!!

こんにちは!

バレエピアニストのHaRuKaです。

 

 

4月も終わりに近づきイギリスも暖かくなってきました。ワクチンの普及も順調のようで(感染者数もグッと減りました!)、20代も早ければ6月末頃に順番が回ってくるとの噂もちらほら。

 

 

 

そして、私のロンドンライフも徐々に元のスタイルを取り戻しつつあります!

 

 

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(↑4月中旬にぶらりと訪れたAlexandra Palace と、上手い具合に被った赤いロンドンバス)

 

 

 

今週からお仕事はすべてスタジオのface to faceのクラスに舞い戻り、昨日数ヶ月ぶりに再会した同僚のジョージとはNo more screen! と喜びを分かち合っていました。(笑)

 

 

ただ、イギリスは完全にロックダウンを解除したわけではなく、現在は様子を見ながら徐々に緩和して言うという段階にあります。

 

 

美容院やジムなどはopenしましたが、パブやレストランはTake awayか外のテラス席のみ、劇場やクラブなど大人数が集まる場所は未だ閉鎖中です。

 

 

それでもやはり、少しずつゴールが見えてきて嬉しいことに変わりありません。

 

 

気温も暖かくなってきましたしサマータイムで夜8時くらいまで外も明るくて、今のイギリスはとても過ごしやすいです。

 

 

お仕事の方も、ちょうど今は新学期でレギュラーのオファーが一気にくる時期でもあり(何曜日にどこのスタジオで弾くか…など)、今週はスケジュール調整でてんてこまいです!🏃🏃

 

 

ざっくり数えたところ今学期(少なくとも夏まで)は、朝は基本8:00から多い日は6クラス(約8時間)、1週間20数時間分のクラスを弾くことになりそう。

 

紛れもない体力勝負…!!

 

 

ロックダウンでゆるゆる過ごしていた分、改めて気を引き締まる思いです!

 

 

 

 

そういえば、つい2日前がその6クラス(8時間)を弾く日だったのですが、そのスクールの芸術監督の先生が

 

 

「先に音なしでできるウォームアップ始められるから、Harukaは各クラスの最初の数分コーヒーブレイクとってから来てね!」

 


と、私の体調をケアしてくれ、おかげで本当は連続したTime tableにも関わらず、各クラスごとにストレッチしたりお茶を飲んだりして体を休めることができました。

 

 

そんなピアニストへの気遣い・優しさに心がホッと温まりました🙏💕

 

 

 

また忙しい日が続きそうですが、対面で弾ける喜びを噛み締めながら、毎日ダンサーたちに最高の音楽を届けられるよう今後も頑張ります!

 

 

皆さんもどうか、引き続き健康でお過ごしくださいね。

 

 

 

 

また更新します✨

 

 

HaRuKa🌸

※先月でこのブログの総アクセス数が1万回を超えました!今後も楽しくゆるゆると続けていきますので、これからもふらっと読みに来てくれたら嬉しいです🙇💗

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽的な先生のクラス

こんにちは!

バレエピアニストのHaRuKaです。

 

最近はイギリスも暖かくなってきて、天気もいい日は公園に散歩に行けるようになりました。

 

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これは歩いて3分くらいの距離にある公園のpondです。

 

 

とても広くて自然豊かな公園は、私がイギリスを好きになった大きな理由の一つなので、またこの季節がやってきたことは嬉しいです🌷

 

 

 

さて、今日は印象に残ったバレエクラスについてシェアしたいと思います。

 

久しぶりにちょっと専門的な話ですね!

 

 

私が所属しているバレエスタジオには、とても音楽的でピアニストを大切にしてくれる先生がたくさんいます。

 

 

ここで言う音楽的な先生とは、幅広い音楽的な知識を持っていたり、どのように音楽を感じて踊るかなどを意識して指導を行うバレエ講師を指します。

 

 

そんな音楽的な先生がたくさんいる職場で毎日幸せなのですが、今日代奏で弾いたAlexのクラスがとても刺激的で!

ピアニスト目線でもああ良いクラスだなとすごく印象的だったので、紹介したいと思います。

 

 

まず彼はリズムの知識が豊富で、たくさんの種類のリズムをエクササイズに組み込みます。

 

 

 

例えばTenduはタンゴ、Frappéはマズルカの指定でした。

 

 

 

(※Tendu、Frappé と、この先出てくるJeté、Adagioはどれも専門用語で、バレエのエクササイズの名称です。)

 

 

特にFrappéをマズルカで行うことはあまりないので、リズムを意識したエクササイズであることがよくわかりますね。

 

 

またJetéでは

 

 

「普段6/8 のリズムでやっているエクササイズを、今日は同じ振り付けで2/4拍子でやってみましょう。」

 

と提案し、生徒たちに同じエクササイズを別のリズムで行うことで、感覚の違いを体感させていました。

 

 

 

また、エクササイズを始める前のピアニストへのテンポの指示がとても分かりやすいことも、彼のクラスが大好きな理由の1つです。

 

 

今日もAdagioで

 

「ハル、僕が見本で見せたテンポよりfractionally fasterで (ほんの少しだけはやく) 弾いてくれるかな。」

 

 

と明確に指示を出してくれて、かなりわかりやすく彼の求めるテンポを掴むことができました。

 

 

そういえば、以前紹介した5拍子のエクササイズの記事もAlexのクラスだったことを思い出しましたが、このようにリズムやテンポに対してとてもsensitiveなバレエ講師のクラスは、これぞライブピアニストならでは!といった感じでとてもやりがいがあります😊

 

 

あとは、少しマイナーなクラシックの曲を弾いたりした時に

 

「その曲いいよね!僕も好きだよ。弾いてくれてありがとう。」

 

などと言ってくれるので、単純に嬉しい。(笑)

 

 

彼のクラスは刺激的で、楽しくて、大好きです!😆

 

 

 

普段は出勤曜日が異なり一緒に仕事しない先生なのだけど、また一緒にお仕事出来たら良いなぁ。

 

 

あまり弾かない類の音楽をたくさん弾いて、改めて背筋が伸びた1日でした!

 

 

少し短めですが、今回はこの辺で。

 

 

また更新します🌷

 

HaRuKa🌸